福島生まれのラッキーアイテムといえばこれ!
幸運を運ぶ牛「赤べこ」です。遊びに行ったお宅だったり施設の玄関に飾られているのを見たことある人も多いでしょう。
ただ、どんなものか詳しくは知らない人もいると思うので、ご紹介したいと思います。
福島県会津若松市の郷土玩具「赤べこ」
赤に下塗りした牛の型に、黒の斑点と白の縁取りを絵付けした張り子人形のことを指します。
古くは厄除けのお守りや縁起物として、今日では丸みを帯びたフォルムと首がゆらゆらと揺れる動きが人気の土産物としても親しまれています。1997年には福島県の伝統工芸品に指定されました。
うんうんと頷く姿は、話しかけても全てのものを肯定してくれているかのような気持ちにされ、とても幸せになります。
ゆっくりとした動きは、何だか眠気も誘っているように感じますね。
赤べこには仲間がいる?
実は赤べこは、会津地方でつくられてきた「会津張り子」のひとつです。他には、学問の神様・菅原道真公をかたどった「会津天神」や
何度転がしても起き上がる「起き上がり小法師」
「会津だるま」など。
張り子とは木型に何枚もの紙を貼り重ね、乾いたところで型を抜いてつくる工芸品のことです。
会津張り子の発祥は、江戸時代の歌舞伎から着想を得てつくられた福島県三春町の「三春張り子」の模倣という説と、1590年に伊勢(現在の三重県)から会津に転封(てんぽう)された領主の蒲生氏郷(がもう・うじさと)が、京都から職人を招いて藩士たちに張り子づくりを学ばせたのが始まりとする説があるようです。
福島には会津張り子の他にも三春駒、こけし、七夕馬、会津唐人凧など様々な郷土玩具があり、それらを含めても会津張り子はもっとも古いものです。つまり、会津張り子のひとつである赤べこは、東北地方でもとくに歴史のある郷土玩具となります。
赤べこの伝説
四百年程前、会津地方に大地震が起こり、会津柳津円蔵寺虚空蔵堂が倒壊しました。
その後、険しい崖の上に再建されることになり、木材運搬に使役された牛が険しい道のりのため数多く倒れましたが、最後まで働き通した牛が赤い色をしていたと伝えられています。その牛のことを赤ベコと呼び、敬い親しまれるようになりました。その言い伝えにあやかるよう、「忍耐強く壮健であれ」という願いを込めて張り子の赤ベコが作られるようになったというのです。
ちなみに伝説の中では赤色だったのは偶然だと思われますが、元来赤色というのは疫神が嫌う色とされ、また胴体に描かれた丸い模様は、疫病を受けて治った傷跡を表しています。縁起が詰まった玩具ということが分かりますね。
赤色以外の赤べこがいる
赤が魔除けの象徴ではありますが、それだけでは人の興味を失ってしまうかもしれません。そうなると歴史が途絶えてしまう恐れもあります。そこで野沢民芸では、「カラフルべこ」というカワフルな赤べこや無地の赤べこを販売されています。
新進気鋭の会社がそういった取り組みをしたのかと思いきや、実は赤べこづくりシェアのおよそ7割を占める工房で、福島県西会津町で50年以上にわたり、会津張り子を中心に郷土玩具や民芸品をつくり続けている老舗工房なのです!
一見するとチョコレートみたいにも見えてしまいます。
こんなに沢山の種類があれば、お部屋のインテリアに合わせて飾れますね♪